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小学4年生

彼は、

 

小学4年生で

 

姉の息子であり

 

私の甥っ子だ。


先日、同窓会で山梨へ帰った際

 

実家の畑で父が作る野菜の収穫を

 

一緒にした時の写真だ。

 

収穫したのはナス、落花生、ミョウガ

 

ニラである。

 

彼は、何故かナスと同じ色の

 

タンクトップを着ている。

 

別に狙っていた訳ではないだろうが

 

とてもセンスを感じる。

 

 

父の作るナスは、


私の妻も、絶賛するほど


とても柔らかくて美味しい。


そんなナスを甥っ子と


収穫する時間は


とても楽しい。


今回は、そんな彼について


少し書きたいと思う。




彼は、昔から普通の子供と


違う何かを持っていた。


といっても


トーマスは好きで


彼が2、3歳の頃


富士急ハイランドで一緒に


トーマスに乗った記憶がある。


その後、年齢を重ねるに連れて


ユンボやシャベルカーなどの


重機に興味を持つようになる。


また


家の庭では、スコップを駆使して


穴を掘り、ホームセンターで買ってきた


配管を通し、水を流す。


それは、きっと下水道工事の


真似をしていたのだと思う。


そんな彼が


ある日突然


「僕は、自衛隊になる!」と


言い出した。


まーこの辺りは


普通の子供であれば


警察官になる!


消防士になる!


といった


単なる子供の夢だと


聞いていた。


しかし、


私が帰省して


彼の遊ぶ様子を


見ていると本気度を感じた。


というのも、


遊ぶおもちゃが


戦車や戦闘機、戦艦のミニ模型なのだ。


私には見分けがつかない戦艦の違いを


詳しく説明してくれる。


遊びは、それだけではなく


段ボールや靴の空き箱を使って


機関銃やガスマスクを自分で作り


戦闘ごっこ遊びをするのだ。


トイザラスなどで


祖父母や、両親に


おもちゃを買ってもらうのではなく


家にある物を使い自分で作る。


最近では、


毎月送られてくる


パーツを組み合わせて


ゼロ式戦車を作っているという。


完成予定は2020年。


5年かけ戦車の模型を作る


彼は


今時珍しいのではないかと思う。


元素を学ぶ

そんな彼が小学4年生になり

 

先日、話をした。

 

「ねーたつや、

 

フッ素って知ってる?」

 

そんな質問を

 

急にされて

 

私はドキっ!としたが

 

「知っているよ」と答える。

 

「じゃーフッ素って何?」

 

私は、バカなので

 

元素記号がいくつで

 

どんな構造をしているかという事は

 

知らない。

 

しかし、

 

フッ素は神経毒であり

 

昔は家畜を大人しくさせる為に


使われる物だという事を

 

知っていたので伝えた。

 

「そうだよ。」

 

 

おいおい・・・

 

ちょっと待て、

 

小学4年生で

 

フッ素が神経毒である事を

 

知っていたのか!

 

私は、最近勉強している中で

 

知った。

 

フッ素は虫歯予防になると

 

教わっていたので

 

歯を磨く時には必ず

 

使っていたし、

 

そのフッ素が神経毒である事など

 

私が小学生の時は

 

まったく知らなかった。

 

なぜ、知っているのだと

 

聞いてみると

 

「図書館で本を借りて

 

元素の勉強しているんだ。」

 

今でこそ

 

図書館は私も良く使う。

 

しかし

 

私が小学生の頃

 

図書館では

 

勉強は一切せず、

 

夏休みに

 

涼むためだけに使っていた。

 


それなのに彼は

 

元素の勉強をしていると言う。

 

続けて彼は言った。

 

「最近は、核爆弾についても

 

勉強しているんだ。」

 

なんとまーー。

 

戦後70年の節目を迎える

 

8月に私は衝撃を受けた。

 

そんな彼に質問をしてみた。

 

原爆が広島と長崎に落とされたけど

 

同じ種類の核爆弾だったの?

 

これは、

 

さすがに知らないだろうと思い

 

聞いてみた。

 

すると彼は驚きの回答をくれた。

 

「違うよ。

 

広島はウランで、長崎はプルトニウム。」

 

これで終わりではなく

 

紙にそれぞれの絵を書いてくれて

 

形も違うし、起爆装置の場所も違い

 

爆発の仕方も違うと

 

おまけをつけて教えてくれた。

 

何とも恐るべし。

 

隣で話を聞いていた

 

彼のお爺ちゃんも

 

同様に驚いていた。

 

大人は

 

子供から学ぶ事があるというが

 

今回の帰省で

 

私は彼から学び

 

とても勉強になった。

 

そんな中ふと

 

疑問に思った。


このように

 

元素や核爆弾について

 

知ろうとする小学生は

 

現在どれだけいるのだろう。

 

日本に落とされた2つの

 

原爆の種類が違う事を

 

知っている大人は

 

現在どれだけいるのだろう。

 

今日8月6日は広島に

 

ウラン235型原爆が落とされ

 

14万人(推定)の死者が出た日。

 

3日後の8月9日は長崎に

 

プルトニウム型原爆が落とされ

 

7万人(推定)の死者が出た日。

 

広島も長崎も非武装の市民が

 

殺されたのだ。

 

日本を降伏させる為や

 

近隣国へアメリカの脅威を示す為に

 

原爆は落とされたという。

 

しかし、その為に

 

わざわざ2種類の原爆を落とす必要が

 

あったのだろうか?

 

武装していない市民21万人(推定)を

 

原爆で殺す必要があったのだろうか?

 

それは、日本が仕掛けた戦争なのだから

 

日本が悪いと本当に言えるのだろうか?


このような質問に

 

自分の考えで答えられる大人は

 

今現在どれだけいるだろう。


アメリカが落とした核爆弾で


罪のない一般市民の尊い命が


失われたのに、


日本には48基の原発があり


電力開発だと言いながら


プルトニウムを作っている。

 

震災の影響で原発が停止していても


電力不足による停電で困る事が


ないのに、


国はなぜ


原発再稼働を進めようとするのか?


このような疑問に

 

自分の考えを持ち


答えられる大人は

 

今現在どれだけいるだろう。

 

戦争反対は当然の事であるが、

 

なぜ戦争に反対するのかを

 

答えられないといけない。

 

子供たちに

 

「なぜ戦争はいけないの?」

 

と聞かれた時に

 

「人が殺し合うからだよ。」

 

と答える大人は

 

当然いるだろう。

 

しかし、

 

そんな浅い考えだけで良いのだろうか。

 

私がもし、

 

甥っ子に聞かれた時には

 

もっと深い話をしたいと思う。

 

それは、

 

大人が子供たちへ行う

 

最低限の伝承だと思う。

 

子供に戦争の話をしても

 

理解できるはずがないと

 

決めつける大人は最低だと思う。

 

大人は勉強して

 

子供が理解出来るように

 

分かりやすく伝える必要がある。


昔の私はバカで

 

勉強嫌いだった。

 

今でもバカだが

 

昔と違い、


世の中の事を知る事を

 

とても楽しく感じている。


なぜなら


そこで知り得た事を


子供たちへ伝承出来るからだ。


私が知りえた事や

 

私が思う事を

 

甥っ子には包み隠さず

 

伝えようと思う。

 

多少難しい話でも

 

彼には、それを理解できる力が

 

あると思う。

 

何か質問が出たら

 

私も真剣に考え答えて

 

あげたいと思う。

 

 

来週は、彼が山梨から東京へ

 

一人で来る予定だ。

 

小学4年の夏、

 

初めて一人で電車に乗って

 

新宿まで来る。

 

かいじに乗ってくるのか

 

あずさに乗ってくるのか

 

分からないが、

 

彼は

 

どんな気持ちで

 

何を思いながら

 

電車に乗ってくるのか

 

とても楽しみだ。

 

今回の冒険へ

 

快く送り出してくれる

 

姉夫妻には感謝したい。


ありがとう!