突然ですが、問題です。
人間には
何個の筋肉があると思いますか?
100個?
200個?
いいえ。
もっと多いです。
1000個?
いいや・・・
それは
多すぎです。
早く答えを教えろ!
と言われそうなので
答えます。
正解は
約600個です。
「600個とは結構多いな・・」
そのように思われた方は
筋肉は体の表面だけに
あると思っていませんか?
いわゆるボディビルダーの方の
体に現れる筋肉だけが
人間にある筋肉だと・・・。
それは違います。
詳しく説明すると、
体の表面に現れる筋肉は
骨格筋と言います。
この筋肉は体を扱う主人が
使いたい時に意識すれば
使えます。
しかし、
人間の体の中には
使いたい時に意識しても
使えない筋肉があります。
つまり、
体を扱う主人が意識しなくても
勝手に動いている筋肉です。
それが、
意外と知られていない
筋肉です。
その筋肉の名前は
平滑筋と心筋です。
「へぇーー」
「でも、その筋肉って
体のどこにあるの?」と
皆さんの声が聞こえてきます。
心筋は漢字を見れば
どこにあるか想像できますね。
心臓を動かす時に
使われている筋肉です。
では、平滑筋とは
どこにあるのでしょうね。
それは、
血管、膀胱、子宮などの
壁にあります。
また、
胃、小腸、大腸などにも
存在していて消化物を
運ぶ役割をしています。
このように、
人間の体には
体の表面に現れる
筋肉だけではなく
体の内面にもあるのですね。
だから、
人間の持つ筋肉が約600個という
多い数になるのですね。
さて、
こちらのページでは
この筋肉の話をしていきます。
もちろん、
体を扱う主人が
意識して使える
骨格筋の話です。
ちなみに骨格筋の数は
約400と言われているようです。
約400の筋肉を
1つ1つ説明していては
嫌気がさすほど
分かりづらいでしょうから
2つの筋肉に絞って
話をします。
約400の筋肉のうちの
2つの筋肉について理解すれば
あとの約398は、
何となく分かってくると
思います。
毎日使っている体ですから
少しだけ、体の筋肉に
ついて知りましょう。
それでは、
筋肉についての話を
進めて行きます。
これから説明する
2つの筋肉とは、
上腕二頭筋と上腕三頭筋です。
この漢字を見て
体のどこにあるか
想像できますか?
お笑い芸人の方が
「見てみー俺の筋肉
カチカチやぞ!」と
叩かれている場所が
上腕二頭筋です。
「力こぶ」という言葉で
筋肉の大きさを表すのに
良く表現される場所ですね。
上腕三頭筋は
力こぶの後ろ側にある筋肉です。
女性がノースリーブを
着る際に気になる場所です。
ここまでは、
何となく知っている方も
多いのではないでしょうか?
では
皆さん、
上腕二頭筋も上腕三頭筋も
一つの塊ではない事
知っていました?
どういう事かと
言いますと・・・
下記の写真をご覧下さい。
まず、上腕二頭筋ですが、
上の写真をご覧下さい。
左の写真と右の写真の
赤い所を見比べて下さい。
なんと!
筋肉が2つに分かれてます。
この2つに分かれている
筋肉を合わせて
上腕二頭筋と言います。
なぜ2つに分かれる必要が
あるのでしょうね。
左の写真と右の写真にある
緑の○を見比べて見て下さい。
上腕二頭筋の端っこは、
筋肉から腱という
少し強い素材に変わって
骨に付きます。
その腱が付く骨の場所が
それぞれ微妙に違うのです。
写真の上にある緑○は共に
肩甲骨の端っこに
付いていますが
よく見ると
肩甲骨の端っこの付く場所が
微妙に違います。
写真の下にある緑○は共に
橈骨に付いていますが
こちらもよく見ると
橈骨に付く場所が
微妙に違います。
こちらは上腕三頭筋です。
上の写真を見れば違いは
明らかですね。
上腕三頭筋の方が
骨に付く場所の違いも
はっきり分かりますね。
上腕二頭筋も上腕三頭筋も
なぜこのように
筋肉が1つの塊ではなく
2つに分かれているのかは
正確な事は分かりませんが
おそらくこんな事が
考えられるのではないでしょうか。
筋肉が腱に変わり
骨に付く際に
特定の1箇所に付くと
筋肉が縮んだ時に
骨が引っ張られて
特定の骨の場所に
負担がかかるから
かもしれません。
また、
骨と骨をつなぐ関節は
色々な角度に動くので
それに対応出来るように
する為なのかもしれませんね。
当たり前の様に
使っている体も
良く知ると
少し興味が湧いてきませんか?
そのような方へ
ここまでは
ちょっとした知識ですが、
ここからは、筋肉の話で
とても大切な話をしていきます。
長くなるかもしれませんので
飽きずにお読み下さい。
私が学んだ鍼灸マッサージ学校の
解剖学の教科書には
様々な事が書いてあります。
筋肉が収縮や弛緩することで
骨を動かし全身にある関節を
曲げたり伸ばしたりしている。
筋肉の働きにより血管(特に静脈)を
しごき血液を全身へ送っている。
また、筋肉の働きで
体温を上げている。
このような事が
筋肉の役割と言った所でしょうか。
この事全てを
簡単に言うと
筋肉は全身を動かす為には
なくてはならない存在。
それは当たり前です。
しかし、この当たり前の事が
世の中では
おざなりになっていると思います。
もっと言えば
正しく理解されていないと
思います。
例えば、
こんな話があります。
ある野球選手が
肉体改造の為に
有名なトレーナーの元で
ウエイトトレーニングに励み
筋肉を大きくして体重が○㎏増えた。
本人はこう思います。
これで今シーズンを戦い抜く
土台が出来上がった。と
そして、
その選手にインタビューする記者も
「おっ!あの選手は肉体改造をしたから
体ががっしりして、大きくなった。」
「あれだけ体が大きくなれば
強い力が発揮できるに間違いない。」
などと言って
ニュースなどで騒ぎ立てます。
それを見る様々な人たちも
筋肉を大きくすれば
強い力を発揮できると
信じて疑わずに
選手たちに重い物を持たせて
回数を課すという
ウェイトトレーニングをさせます。
そして大きくなった
体を見て、
これで大きくなった筋肉から
パワーが出て
競技力が向上すると・・・。
しかし、
そのような肉体改造という
名のもと
トレーニングを積む
ほとんどの選手が
シーズン途中で怪我に
見舞われて調子を落としていきます。
なぜこのような事が
起こるのでしょうか?
それは、
筋肉は全身を動かす為には
なくてはならない存在
という当たり前の事を
おざなりにしたからです。
筋肉は骨を動かし関節を
曲げ伸ばしする為に
動いているという事を
おざなりにして
筋肉を大きくすれば
強い力を発揮出来るという事に
執着したからです。
そのような悲劇を
無くす為にも
もう一度
筋肉は何の為に動くのかを
考えていきましょう。
上記の写真をご覧下さい。
①と②で変わった点があります。
①は肘が伸びていますが
②は、肘が曲がっています。
この関節を曲げる動きを
可能にしてくれるのが
上腕二頭筋という筋肉です。
ちなみに
上腕二頭筋にはあだ名があります。
関節を曲げるヤツなので
その名も「屈筋」です。
間違い探し、その2です。
①と②で変わった点があります。
①は肘が曲がっていますが、
②は、肘が伸びています。
この関節を伸ばす動きを
可能にしてくれるのが
上腕三頭筋という筋肉です。
ちなみに
上腕三頭筋にはあだ名があります。
関節を伸ばすヤツなので
その名も「伸筋」です。
このように
上腕二頭筋と上腕三頭筋は
肘を曲げ伸ばしする為に
筋肉を収縮させたり弛緩させたり
しています。
もう少し言うと
筋肉は
橈骨を上腕骨に近づけたり
遠ざけたりしている。
つまり、
筋肉の役割は骨を動かす
事であって
それ以上でもそれ以下でも
ないという事です。
この事が
しっかり分かっていないと
競技力が向上する所か
思わぬ所で
肉離れや靭帯損傷などの
怪我をして
思うようなプレーが出来なくなります。
筋肉を大きく強くすれば
パワーが生まれて
ボールを速く投げたり
跳ばせたり出来る。
筋肉を強化すれば
1年間戦い抜く
体の土台が出来上がる。
この考え方に
問題があるのです。
強い力を発揮するには
骨を早く動かす
スピードが必要になります。
では、
筋肉を大きくすれば
骨を早く動かせるのか?
答えは、NO!!
早く動かせません。
強い力も発揮出来ません。
いや、そんな事はない!
筋肉が大きくなれば
スピードだって出るぞ!と
間違った筋肉の使い方をすると
肉離れや靭帯損傷などの怪我が
起きてシーズン途中で調子を
落としていきます。
では、
どうしたら
怪我をせずに
競技力が向上する
筋肉の使い方が
出来る様になるのか?
ここが一番
大切な所ですね。
ここをしっかり
説明出来なければ
私は
ただの批判野郎ですね。
それでは、
説明していきます。
上腕二頭筋と上腕三頭筋に
それぞれあだ名が
あったのを覚えていますか?
関節を曲げる上腕二頭筋は
「屈筋」
関節を伸ばす上腕三頭筋は
「伸筋」
約400ある筋肉には
それぞれ同様のあだ名が
あります。
ここで、全ての筋肉に
このあだ名という具合に
説明しても良いのですが、
混乱の元になりますので
関節を曲げる筋肉は
「屈筋」
関節を伸ばす筋肉は
「伸筋」
と理解して下さい。
そして、その筋肉たちが
体のどこにあるのかという事を
分かりやすく
本当に分かりやすく
言うと、
体の前にあるのが
「屈筋」
体の後にあるのが
「伸筋」
だと理解して下さい。
細かく言うと
体の前に伸筋
体の後に屈筋がある
場所も存在しますが、
そこを説明すると
混乱の元になりますので
割愛します。
皆さんが
当たり前の様に
使っている体を
自由に動かせるのは
この屈筋と伸筋が
収縮したり
弛緩したりする事で
出来る訳です。
例えば
肘を曲げる動作で
言えば
上腕二頭筋という屈筋が
収縮する事で
橈骨が上腕骨へ近づいて
肘が曲がる訳ですが、
その際に反対側にある
上腕三頭筋はさぼっている
訳ではありません。
上腕三頭筋は弛緩しながら
橈骨が上腕骨に勢いよく
近づき肘が曲がり過ぎない様に
サポートしています。
いわば、
上腕二頭筋が主役で動く時は
上腕三頭筋は監察役で
車で言えばブレーキと
言ったところでしょうか。
また、
上腕三頭筋は監察役から
主役に変わる時もあります。
肘を伸ばすという動作の際は
上腕三頭筋が
監察役から主役になります。
車でいえばアクセルになります。
上腕三頭筋が収縮することで
橈骨が上腕骨から離れて
いきます。
そして、
肘を曲げる動作で主役であった
上腕二頭筋は監察役に
変わり、車で言うと
ブレーキになります。
肘を伸ばす動作の際に
上腕二頭筋は弛緩しながら
橈骨が上腕骨から勢いよく
離れて肘関節が伸びすぎない
様にサポートします。
この様に屈筋と伸筋は
主役と監察役
アクセルとブレーキの
役割を使い分けながら
バランスを保ち働く事で
全身で行う様々な動作が
出来る訳です。
さて、ここで一つ問題です。
皆さんは
スポーツをする際に
何か強い力を発揮しようと
しました。
その際に、屈筋と伸筋の
どちらを収縮させた方が
良いと思いますか?
強い力を発揮するには
屈筋と伸筋の
どちらを使いますか?
強い力を発揮する為に
屈筋と伸筋の
どちらを
使うのかという事は
とても大切なポイントに
なりますので
よく考えて答えを
出して下さいね。
屈筋は体の前に多く
存在します。
伸筋は体の後ろに多く
存在します。
さて、
皆さんの出す答えは
どちらでしょうか?
なかなか答えが出てこない方の為に
いかがですか?
なぜ、屈筋ではなく伸筋なのか。
では、
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