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感覚を研ぎ澄ます

前回のブログでは、フォアフット走法について書きました。

フォアフット走法

 

フォアフット走法がつま先着地だと思っていた人にとっては、

 

とても衝撃的な記事だったと思います。

 

つま先着地どころか踵着地だっだなんて・・・

 

正直、着地点ばかり気にしていては前に進めません。

 

ですので、

 

体のどこを使って走ると楽に進めるかを考えながら練習した方が着実に前へ進めるようになると思います。

 

「腰と背中を使う事だけを考える」

 

ただ、これだけで何かが変わると思います。

 

ぜひ試してみてくださいね。

 

さて、今回のブログは「感覚を研ぎ澄ます」について書いていきたいと思いますうのですが、

 

冒頭のランニングの話題ついでに以下の様なメールが届いたので紹介します。

 

 

----------------------------(以下メールより転載)

おはようございます。Kです。

(※Kさんは毎月からだ塾ランニング教室に通われている方です)

 

昨夜走っている時に、なんだこの感覚は!っと、思う事がありました。

いつもの一周500m弱、野球場の周りを走ってました。

それは、走り始めから感じた事でしたが、いつもより早い!事でした。

イメージとして、弓なりに反った身体を、誰かに押してもらっている感じでした。

走る前は、仕事の後で身体は重く感じてましたが、走り始めたら明らかに身体が軽く感じました。

一周毎に、タイムは取っていますが、走りながら見る事はしません。

結果的に、意識してペースアップさせたタイムで走ってました。

心の感覚はついていってないけど、身体が何かを体得したような、しないような。

奥深いですね、走る事は。

すみません、朝から長々と。

 

----------------(転載ここまで)

 

 

からだ塾ランニング教室に毎月通い続けているKさんですが、

 

走る時に腰と背中を意識して感覚を研ぎ澄ます練習を続けたら、今まで感じた事のない感覚に出会えたそうです。

 

「弓なりに反った身体を、誰かに押してもらっている感じ」

 

「いつもより早い!」

 

「仕事の後で身体は重く感じてましたが、走り始めたら明らかに身体が軽く感じました。」

 

これこそが感覚を研ぎ澄ましたことで得られたものでしょう。

 

ここで上記の感想を解説します。

 

Kさんが言っている弓なりに反った身体とは、背骨のことですね。

 

 

背骨は体を重力から支える役割を持っています。

 

車でいえばサスペンションの役割を担っているのが背骨ですね。

 

背骨は約30個の楕円形の形をした椎体が重なってできているのですが、

 

椎体と椎体の間に椎間板(ゼラチン状の髄核とコラーゲンを含む線維輪から成っている)というクッション性のものが存在しています。

 

椎間板と聞いて思い浮かべるのが椎間板ヘルニアという疾患ですね

 

ヘルニアとはラテン語で「体内の臓器が、あるべき部位から逸脱した状態」をいうのですが、

 

椎間板にかかる重力が均等にかからない姿勢で生活すると椎間板が変形して周辺にある神経を圧迫してしまいます。

 

この状態が続くと神経が機能しなくなるのでしびれや麻痺といった症状が現れます。

 

私も、交通事故をおこした後に腰椎椎間板ヘルニアになり足の酷い神経痛を経験しました。

 

症状がひどい時には顔を下に向けるだけで足に痺れがでて、

 

このときに首と腰はつながっているのだと実感しました。

 

というように背骨の状態で神経にも影響を及ぼします。

 

それもそのはず、背骨のアーチ型をした椎弓と楕円形に近い形の椎体の間にある椎孔には脊髄神経が通るからです。

 

 

 

Wikipediaより転載
Wikipediaより転載

上記の丸い空洞を脳から出た脊髄神経が通ります。

 

脊髄神経は、筋肉や内臓を動かす指令を出してくれるものでしたね。

 

詳しくは下記のブロックをご覧ください。

体の軸を知る方法

体の軸を鍛える方法

 

脊髄神経の周辺には細かく枝分かれした末梢神経というものがあり、

 

その末梢神経を椎間板が変形して圧迫すれば筋肉や内臓に異常を引き起こして当たり前ですね。

 

では椎間板ヘルニアを治療するにはどうしたらよいのか?

 

答えは簡単です。

 

椎間板にかかる重力を均等にする姿勢にすればよいのです。

 

簡単にいえば背骨を自由自在に動かせるようにするということですね。

 

硬くなった筋肉をマッサージや鍼で柔らかくするのもよいですが、

 

自分の思った通りに背骨を動かせるようにすることが体の根本を改善する方法ですし、健康になる方法でもあります。

 

その為には、感覚を研ぎ澄まさなければならないのですが、

 

現代人は感覚が恐ろしいほど鈍感になっています。

 

これは皆さんが悪いということではなく、

 

環境がそのようにさせてると言ってもいいかもしれません。

 

自分の都合しか考えないで安穏と生きる政治家、

 

誤った情報をさも正しい情報として流すメディア、

 

1分も見れば脳波に異常を引き起こすテレビやゲームを簡単に見続けるようになった裕福な日本の環境、

 

もちろん裕福や便利になったこと全てが悪いということではないのですが、

 

何が良くて何が悪いのか分別出来る社会環境になってほしいです。

 

そんな環境に少しで近づけるには、まずは自分の感覚を研ぎ澄ます努力をすることが大切です。

 

今の私は感覚を研ぎ澄ますことだけを考えて生きています。

 

他人から見たらそんなことして楽しいの?

 

なんて思われるかもしれませんが、めちゃくちゃ楽しいです。

 

そして、不思議な事に周辺の環境が良い方向に変わっていきます。

 

もちろんやる事をやらないと良い方向には変わりませんし、

 

むしろ悪い事がおきたりします。

 

話がそれましたが、感覚を研ぎ澄ます行為の一つである背骨の動きを高める事で

 

「弓なりに反った身体を、誰かに押してもらっている感じ」

 

になり、

 

「いつもより早い!」

 

ペースで走れて

 

「仕事の後で身体は重く感じてましたが、走り始めたら明らかに身体が軽く感じました。」

 

走った後なのに体が軽くなるという人も出て来るわけです。

 

これも背骨が人間の軸であるからこそ出来るのであって、

 

ただがむしゃらに体を鍛えていては得られない感覚です。

 

このことについて少し説明します。

 

軸を感じるのは人間の五感のうち触覚で行っています。

 

つまり「走る」という行為は触覚の能力を高めるものと言えます。

 

ただし、何も考えずに走っていては触覚は養えません。

 

走りながら背骨がある腰と背中だけのことを考えることで、触覚は鍛えられるのです。

 

ちなみに、

 

人間は五感を使って様々な情報を得ていて約94%は視覚、聴覚から約3%は触覚から得ています。(※残りは嗅覚2%、味覚1%です。)

 

97%は視覚、聴覚、触覚から情報収集をしているので、

 

走る時には周囲を見渡したり、周囲の音を聞いたりして視覚や聴覚を使う事もしてみると非常に効果的な感覚を研ぎ澄ます行為になります。

 

そのようなことを極めて行けば脳に電気刺激をおくるのと同じなので、

 

斬新なアイデアを生み出す創造力のある人間になること間違なしです。

 

脳に電気刺激を送ることで創造力のある人間になるという話は、

 

脳は電気で動くの記事で紹介しましたので下記をご覧ください。

脳に電気で動く

 

このように脊髄神経を介して脳へ刺激をおくることで、脳が活性化されて

様々なことを考えるようになるわけですね。

 

いわゆる体を動かす事は頭も動かす事であり、世の中を動かすことにもなりかもしれません。

 

大げさな話かもしれませんが、北海道在住の大学1年生Yさんから送られてきたメールを読み、私自身も心を動かされました。

 

本人の承諾を得ていますのでそのメールを紹介します。

 

----------------------------(以下メールより転載)

 

こんにちは。

昨日は、大学の講義で立っている時間があったので、その場で足踏みをしていました。

今は、後頭部を壁があると思って押し、あごを上げ、腰背中を動かすようにすることだけを意識して、生活しています。

メモの効果があるのか、腰背中よりも、後頭部の意識が強くなりました。

前よりも、腰背中の位置の高さが上がっています。肩甲骨の間のあたりが、ピリッと痛くなるような感覚があります。

しゃがむ時、階段を上がる時、膝に力を入れてしまっていて、歩いている感覚と同じようになっていません。

月曜日の練習に感じたことですが、ゲームなどで、軽く走れるようにする意識がうすまってしまうと、部活の練習が終わった後、足の膝の下が棒のようになり、疲労が最高潮になりました。特に、くるぶしがカッチカチになり、ふくらはぎがパンパンに感じました。

 

今まで、中学校、高校の中で、走る練習をひたすらしていましたが、疲れる走りでそれをこなしているだけでは何が得られていたのか。

 

今の歩いている時に感じられる疲れにくい体の動かし方を身につけた上で、練習をこなしていくのでは、雲泥の差になるのではないか。と感じました。

 

大学の関係で、市民体育館のトレーニング室のスタッフをしているのですが、ランニングマシーンを使っている人を観察していました。

肩に力が入っている人は、他の人と比べて、ふくらはぎに筋肉がついていました。肩に力が入ると膝や足首に力が入ると言っていたことに、関係があるのかなと感じました。

目の位置が高くなると、あごが上がりますが、それと同時に口元が重くなり、今までより笑顔が引きつっているように感じます。最近周りからも、少しこわいと言われるようになった気がします。

 

私の同じ分野に、今年、1人編入生で入ってきた2年生の方がいるのですが、その方は、今の日本の教育を変えたいと思っている方でした。

その方からは、望月さんと何か同じものを感じます。

その方の話や、望月さんの話は、私が今まで生きてきたなかで初めて聞いたことでした。

その出会いが今の私をたくさん悩まし、考えさせてくれているのだろうと感じます。

今まで生きてきた世界は非常に狭かったです。高校の時は、あの先生のようになりたいって強く思っていましたが、本当にそうなりたいのか?

自分は何をしたいのか?

知識を増やし、多くの経験をしたら、今までとは違う思い、もっとこうしたいっていう思いが生まれてくるのではないか?

からだ塾の方のトレーニングを始めてから、高校の時には考えていたはずのないことを考えているように思えます。

 

 

---------------------(ここまで転載)

 

メールの送り主Yさんは、5月から遠隔でからだ塾のトレーニングを受けている大学1年生です。

 

詳しくは下記のブログをご覧ください。

肩の力が抜けない人

 

Yさんと私はLINEでやり取りしながらトレーニングをしているのですが、 

 

Yさんは体の状態が変わり競技能力が上ることはもちろん、これからの人生についてまで考えるようになったそうです。

 

からだ塾が行うトレーニングは軸の位置や状況を探るもので、

 

いわば感覚を研ぎ澄ますようなものなのですが、 

Yさんは脳も研ぎ澄まされてきて考え方が随分変わってきたそうです。
私が送るLINEの文章を読み、それを自分で実践して感覚を研ぎ澄ます。
文章を読む視覚と実践する触覚を使うことで脳が活性化されて、
大学生活のことまで深く考えるようになるというのが、
メールの内容でお分かり頂けたのではないでしょうか。
ちなみに、Yさんと私は一度も会っていません(笑)
一度も会った事のない人の体と頭を変えるトレーニングがこの世に存在するのでしょうか?
トレーニングで筋肉をつけて生涯乗り切るのも良いですが、
軸を整え脳を鍛え感覚を研ぎ澄まし今までの考え方が変わるトレーニングも
今の世の中には必要ではないでしょうか。
そんなからだ塾のトレーニングが
まだ社会に出て仕事をしていない18歳の大学生が考え方を変えています。
このような若者が一人でも増えていけば本当に世の中が大きく動く何かに繋がっていくかもしれないですね。
さて、感覚を研ぎ澄ますことの必要性を感じて頂けましたでしょうか。
一人でも多くの人が人間本来の体になることを願い書きました。
私が会った事もない人が一人でも救われることを願っております。
皆さんも何か疑問に思う事などありましたら下記までメールをください。
karadajuku2013@gmail.com
熱意ある方のメール、心よりお待ちしております。